中医学臨床 自律神経失調症
概要
循環器や消化器、呼吸器などの活動を調整するため、自分の意思とは無関係に24時間働き続けているのが自律神経である。自律神経の緊張が亢進すると、体のだるさ・便秘や下痢・頭痛・ほてり・動悸・しびれなどの症状が出現する。自律神経失調症は体の活動時や昼間に活発になる交感神経と、安静時や夜に活発になる副交感神経の2つのバランスが崩れた状態を意味する。
自律神経失調症の原因
人間関係や仕事のプレッシャーなどの精神的ストレスや過労、さらに温度などの身体的ストレスが挙げられる。また慢性的な寝不足、不規則な生活などが生体リズムを狂わせてしまい、自律神経の乱れにつながる。更年期障害では女性ホルモンの分泌が減少するため、自律神経の乱れにつながり、ほてりや頭痛、めまいなどの不調が現れることも。またパーキンソン病、レビー小体型認知症など身体疾患に伴う自律神経症状や、うつ病や不安症などの症状の一部として出現する自律神経症状もある。
自律神経失調症の症状
元気がない、めまい、ふらつき、のぼせ、冷え、便秘、下痢頭痛、耳鳴り、動悸、生理不順、、発汗、肩凝りなど症状には個人差が大きい。複数の症状が別々に現れることもあれば、同時に3つ、4つの症状が重なることもある。自律神経のアンバランスに随伴しやすい精神症状としては、イライラや不安、不眠、記憶力や集中力の低下、感情の起伏が激しくなるといったものがある。
自律神経失調症の西洋医学治療
生活リズムを整えること、過度の飲酒やカフェインの過量摂取などの習慣を改める。対症療法として自律神経調整薬や抗不安薬、睡眠薬などが用いられるが、依存性の問題のためベンゾジアゼピン系抗不安薬の長期使用は推奨されない。うつ病や不安症がある時は、SSRIなどの抗うつ薬も使用される。
自律神経失調症の漢方
肝鬱化火
ストレスなどの精神刺激により熱が生じている状態。
主な症状:イライラしやすい、情緒不安定、頭痛、目の充血など。
気の流れが詰まることで熱を持ちやすくなります。気の巡りを整え、熱症状を抑えるような漢方薬を用います。 柴胡加竜骨牡蛎湯、加味逍遙散など
心脾両虚
疲労や貧血などで身体に必要な気や血(けつ)が不足している状態。
主な症状:不眠、動悸、物忘れ、疲労感、めまい、食欲不振、冷えなど。
気や血が不足することで精神不安も起こります。体に必要な気や血を補い、胃腸を強くしながら、身体をリラックスする漢方薬を使います。
帰脾湯、補気益気湯
痰熱内憂
余分な水分と熱が体内に停滞することで、精神不安、興奮になる。
主な症状:夢をよく見る、不安感、咽、胃やみぞおちのつかえ、痰が多い、頭重、めまいなど。
甘いものや、味の濃いもの、アルコールなどの暴飲暴食で、身体の中に余分な老廃物(痰湿)と熱がたまっています。痰湿の排出を促して、消化を助けたり、熱症状を抑えるような漢方薬を使います。
温胆湯、半夏厚ポク湯
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